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不用品回収:無許可で全国展開、業者逮捕へ 強引営業も

再生工房」の名で不用品を回収していた「グローバルマネジメント」(本社・神奈川県藤沢市)が客に高額な料金を請求していた事件で、宮城、埼玉、千葉、愛媛の4県警は来週半ばにも、グ社幹部らを廃棄物処理法違反(無許可営業)などの容疑で一斉逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。グ社は北海道から九州まで計16支店を置き、09年10月期に17億円余りを売り上げたが、各地で苦情が寄せられていた。4県警は強引な営業手法をマニュアル化していたとみて合同捜査を進める。

捜査関係者によると、グ社は軽トラックでアナウンスを流しながら住宅街を巡回し、不用品引き取りを勧誘する廃品回収業を無許可で営業した疑いが持たれている。4県警は幹部ら十数人の立件に向け、詰めの捜査を進めている。

グ社を巡っては宮城県警が今年6月、廃棄物処理法違反容疑で本社などを家宅捜索したほか、愛媛県警も7月に同容疑で愛媛支店(松山市)を家宅捜索するなど、各県警が捜査していた。消費者庁も8月5日、特定商取引法違反(迷惑勧誘など)で6カ月間の一部業務停止を命じた。

消費者庁によると、グ社の従業員は今年2月、客の不用品をトラックに積み込んだ後に「7万4800円になります」と請求。無料と思っていた客が驚いて回収を断ると「ふざけんなよ。もう積んだんだよ。おれの手間はどうなるんだよ」とすごみ、その後も数回にわたり客の自宅を訪問。「荷物はもう会社に降ろしたからないよ」「特別に半額にするよ」と言って計3万4000円を支払わせた。こうした「先積み」と称される行為を繰り返していたという。

同庁によると、グ社は07年11月に設立され、札幌、宮城、千葉、愛知、兵庫、福岡などに支店を置き、従業員数は687人(今年7月現在)。国民生活センターによると、全国の消費生活センターに寄せられた同社を巡る相談は07年度9件、08年度33件、09年度130件、10年度67件--の計239件(10月29日現在)に上る。

一方、民間の信用調査機関によると、グ社の09年10月期の売上高は約17億4000万円で、前年同期比の3倍に急増していた。

◇事務員「仕事は、もうしていません」
神奈川県藤沢市にあるグローバルマネジメント本社は国道467号沿いの住宅街にある3階建てビル。会社の看板はなく、窓は内側から紙などが張られ、様子はうかがえない。10月27日に事務所を訪ねると、内部には段ボール箱や書類が乱雑に積み上げられていた。中にいたのは女性事務員4人だけ。最近の様子を尋ねると「6月に警察が来てから社長ら幹部はだんだん来なくなり、しばらく会っていない」「弁護士らとの相談で忙しいんでしょうが、私たちも指示待ちで、どうなるのか分からない」「(不用品回収の)仕事は、もうしていません。事務員だけなので、仕事に関する難しい話に答えられる者はいない」などと不安そうに語った。

埼玉県和光市にある埼玉支店は既に閉鎖されており、近所の人は「一時期は三十数台の軽トラックが止まっていた。従業員は『軽トラック1台満タンにしてくると10万円ぐらいになる』と言っていた。
随分もうけていたんじゃないか」と話していた。
【永尾洋史、田口雅士】

毎日新聞 2010年11月1日 2時30分

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